自己破産者のひとり言

自己破産と言うと暗く、後ろ向きで、カッコ悪く、ネガティブな印象しかありませんが、人生を生き抜く上ではとても助けられる制度であります。僕が自己破産を経験したからこそたどり着いた生き方や他者との関わり方、日々の暮らしなどを綴っています。

自己破産への道(11)受任通知書

破産の代償

破産するといいことは、多くの人に経済的、精神的に

大きな痛手を与えてしまいます。

自分が生きる為に他人を不幸にしてもいいのか?

そんな思いがあって当然ですし、

なければおかしいかも知れません。

でも僕は多くの人に迷惑をかけてしまう道を選んだのです。

そんな迷惑なことをしでかした人間が

この先、幸せなんかになれるはずはない、

逆に迷惑をかけられた側からしたら

お前なんか奈落の底に沈んでしまえと思うのが当たり前でしょう。

「他人に迷惑だけはかけるな」とか

「信用を失ったら取り返すのは難しい」とか

僕が今まで生きてきた常識と180度反対の道を進むのです。

こんな気持ち中、弁護士は着々と準備をすすめてくれました。

受任通知書の発送

受任通知書は債権者に対して弁護士が送る書類で、

これで、債権者から会社や僕個人への請求は出来なくなってしまいます。

今後全ての窓口が弁護士になり、

今まで来ていた督促は止まります。

もちろん合法的に止まっても感情的には止まらないのは

当たり前で、受任通知を見た取引先数件からは弁護士宛に電話があり、

また、お一人からは妻の携帯電話にも連絡がありましたが、

予想していた自宅に押し掛けてくる人はいませんでした。

そして、この通知で破産することを公に宣言したことで、

また、気持ちの整理もついて来たのです。