自己破産者のひとり言

自己破産と言うと暗く、後ろ向きで、カッコ悪く、ネガティブな印象しかありませんが、人生を生き抜く上ではとても助けられる制度であります。僕が自己破産を経験したからこそたどり着いた生き方や他者との関わり方、日々の暮らしなどを綴っています。

自己破産への道(15)法廷へ

債権者集会の招集日が決まる

破産管財人との面談や会社負債、資産の整理が終ると

破産開始決定後2ヶ月ほどで、

裁判所において債権者集会が開かれます。

その日に向けて僕が破産申立てを依頼している弁護士と

破産管財人の弁護士は準備を進めていきます。

僕は正直、質問に答えるくらいで、何もすることは無く、

まだ当分の間は競売も開始されないであろう自宅で

テレビを見たり、散歩したりの毎日を過ごしていました。

毎月の督促からも支払いからもお金の工面からも解放され、

ぼ〜っと気が抜けたようで、新たなチャレンジに向けた

取り組みや勉強などは全くやりませんでした。

食って、寝て、散歩して、テレビ見て(笑)

でもこれが倒産、破産の良いところだと思います。

人としての判断がつかなくなるほど追いつめられたものに

しばしの休息を与えてくれる破産という制度の恩恵を受けることも

再生への道につながるものでしょうから。

恩送りという考え方

もちろん債権者はじめ迷惑をかけた周囲の人は

僕だけが悠長に暮らし、お気楽な生活を送っていれば怒るでしょう。

しかし、僕は再生してこそ次の恩送りも出来るというものだと考えています。

恩送りとは恩義がある方へ直接恩返しが出来なくても、その恩を別の誰かに

分け与えて行くことを言います。

債権者に直接お金で償う力は今の僕にありませんが、

この経験を生かして、世の中の人が一人でも救われたり、喜んでくれるように

生きて行けば、僕の破産も無駄にはならず、逆に人生の大きな糧となると

信じています。